明神山・畠田古墳・達磨寺古墳群・西安寺跡ほか(奈良県王寺町)
令和4年2月9日(水)、奈良県王寺町の史跡巡りウォークをしました。
五つの世界遺産が見えると言われる明神山(273.6m)が主な目的地の一つです。
JR王寺駅から南西に向かって霧の中を歩きます。
山頂近くには、国交省大和川河川事務所が看板「亀の瀬地区地すべり対策」を設置していますが、手前の木が生い茂っているため全容を見ることができません。
山頂に着いた午前10時頃には霧は消え去っており、東には雲海に浮かぶ龍王山や御破裂山などが見えます。
特に素晴らしいのは西の展望です。
王寺町観光協会のウエブサイトには《空気が澄んでいれば明石海峡大橋も見渡せます。》と書かれていますが、明石海峡大橋だけでなく、北西には六甲最高峰(931m)も見えました。
南西には、応神天皇陵古墳・仁徳天皇陵古墳など(1)「百舌鳥・古市古墳群」が見えます。
南には、大台ヶ原や山上ヶ岳など(2)「紀伊山地の霊場と参詣道」が見えます。
北東に目を転じれば、手前の矢田丘陵には(3)「法隆寺地域の仏教建造物」が、奥の若草山の麓には東大寺など(4)「古都奈良の文化財」が見えます。
その北には、比叡山など(5)「古都京都の文化財」が見えます。
さらに北西からは、亀の瀬地区がはっきりと見えました。
次に、明神山の南斜面の谷に位置する畠田古墳に向かいますが、谷奥に位置しているので辿り着くのに苦労しました。
直径15m・高さ4m以上の円墳で、両袖式横穴式石室は南に開口しています。
東に進み、尼寺(にんじ)廃寺跡(北)に行きます。
北に金堂・南に塔を有する東向の伽藍配置で、大部分は香芝市に属しますが、北の一部は王寺町です。
畠田の氏神である火幡(ほぼた)神社に参拝した後、北の達磨寺(だるまじ)古墳群に向かいます。
達磨寺古墳群は、達磨寺境内に存在する三つの古墳からなります。
築造時期が最も新しい3号墳は本堂の下にあるため、見ることができません。
3号墳の北東には1号墳が、東には2号墳があり、いずれも直径15mの円墳です。
1号墳は南東に開口する両袖式横穴式石室を有しており、玄室奥には組合せ式石棺の一部が残っています。
2号墳の石室には入れませんが、羨門の穴から中を覗くことができます。
最後は、西安寺跡です。
舟戸神社が塔跡で、その北に金堂があったと推定されており、発掘調査が行われていました。
北東から南西に延びる王寺町を大まかに一周したウォークとなりました。