郡山城跡(奈良県大和郡山市)

 令和3年6月5日(土)午前、大和郡山市「郡山城跡」へ行きました。整備工事を見学したのが平成28年1月ですから、五年半ぶりになります。


 初代の城主は筒井順慶ですが、豊臣秀吉の弟・秀長が百万石で入城したことにより大規模な城郭に改築されました。南北に長い西ノ京丘陵の南端部分に城郭主要部分を置いて、守りを固めています。また、内部は内濠で巧みに区画されています。
 大天守を始めとする建物は、残念ながら、1873(明治6)年、競売にかけられ解体されました。
 北東にある追手門から城内に入ります。ここは城郭中枢部への正面玄関で、建物が復元されています。

 

 追手門を入って北の玄武郭には、旧奈良県立図書館(1908(明治41年))が移設されています。

 

 西に進んだ毘沙門郭からは、内濠の向こうに本丸が見えます。

 

 毘沙門郭から橋を渡って本丸に行くのが正式の登城ルートでしたが、明治初期に橋が失われました。しかし、2021(令和3)年3月に極楽橋が再建されました。伝統工法で再現された木橋で、往時を偲ばせます。


 本丸の北端には天守台、南には小天守台があります。天守台展望施設からは、北には薬師寺や平城宮跡東には東大寺や興福寺を見ることができます。

 


 


 さらに、発掘調査で出土した天守礎石の実物も見ることができます。

 

 城跡の整備と言うと天守など建物の復元が思い浮かびますが、いい加減なものもあるようです。こうやって石垣や眺望の魅力を前面に出すのも一つの方法だと感じました。
 午後から仏像拝観に行く三つのお寺は近接しており、実質的には寺町です。また、外濠跡が遊歩道として整備されています。次回は、城下町散策を楽しみたいと思います。  

2021年06月05日|城郭:織豊系山城|歴史:中世|奈良県:その他