姫路市坊勢漁協「底びき網漁見学ツアー」
令和3年8月1日(日)、姫路市の坊勢(ぼうぜ)漁協主催の底びき網魚見学ツアーに参加しました。
姫路市の18km南には、大小44の島々から構成される家島(いえしま)諸島があります。
そのうち、本島、坊勢島、男鹿(たんが)島、西島の4島に約6,000人の人が暮らしています。なかでも坊勢島は漁業が盛んで、総漁船数が900隻と一つの漁港としては日本一の数です。
家島の地名は古く、万葉集にも詠まれています。家島本島の家嶋神社境内には犬養孝先生揮毫の歌碑があるのですが、残念ながら今日は寄りません。
家島は 何こそありけれ 海原を 我が恋ひ来つる 妹もあらなくに(巻15・3718)
姫路市白浜町には、坊勢の魚をそのまま販売する「姫路まえどれ市場」が設けられています。最近はブランド「白鷺鱧(しらさぎはも)」を売り出しており、「白鷺鱧祭り」の一環として底びき網漁見学ツアー(3,000円)が実施されたのです。
妻鹿漁港を出港した第1ふじなみは、南西に漁場をめざして進みます。家島諸島の先には、小豆島も見えます。
底びき網漁とは、海の底に入れた網を漁船で曳いて魚を捕る漁法です。地域によっては二人以上のところもあるのですが、小型に船を使う坊勢は一人です。今の季節だと夜明けとともに操業し、人によっては日が暮れるまで操業されるそうです。
捕れたタイ、カマス、アジ、ヒイカなどの魚は、こちらの船に移されます。捕れたてなので跳ねる魚も多く、こども達は大喜びです。
その後、坊勢島に向かい、港に面した冷凍倉庫を見学します。千種川の水を凍らせた氷で冷凍しています。
冷たい倉庫から外に出ると、一気にメガネが曇ります。従業員の方に聞くと、倉庫内用と屋外用の二つのメガネを用意されているそうです。
坊勢港を出てからは、左に家島本島、右に男鹿島を見て北東に進みます。
家島本島には、たくさんの家が建てられています。
一方、男鹿島は採石場として栄え、主に花崗岩が切り出されています。切り出された石は、大坂城の石垣に使われ、近年では関西国際空港の埋め立てにも使われましたが、採石跡は寂しい光景です。
初めて底びき網漁を見学するとともに、穏やかな瀬戸内クルーズを楽しむことができました。