笠形山(兵庫県市川町→神河町)
令和3年8月27日(金)、姫路市北部の神崎郡にある「笠形山」(939.4m)に登りました。
JR播但線「福崎(ふくさき)」駅で降りて、タクシーで市川町上牛尾の登山口に向かいます。適当な時間帯に走るコミュニティバスがないのです。
しばらく行くと「笠形寺」です。平安時代以降、天台宗の寺として栄えましたが、明治時代の大火で、蔵王堂を除く建物が消失してしまいました。
今、蔵王堂には不動明王などが安置されています。修験道の聖地だったことからすれば、かつては本尊として蔵王権現がおられたのかもしれません。
本堂・庫裏の前には、樹高21m・樹齢500年の立派な県天然記念物「コウヤマキ」が生えています。
さらに進めば、笠形寺の鎮守社だった「笠形神社」です。
拝殿は、明治初期に笠形寺の本堂を転用したもので立派です。
境内は広大で、中宮(なかみや)などを挟んだ奥に本殿があります。
境内には、樹高42m・樹齢650年の神木「ヒノキ」が生えていましたが、姫路城の昭和大修理の際に伐採されてしまい、今は切り株の横に石碑が立っています。
伐採されたヒノキは、木曽ヒノキの上に二本継されて、大天守の西大柱の一部となっています。
伐採されたヒノキの近くには、樹高50m、樹齢850年「大スギ」(夫婦杉)が立っており、最近、県天然記念物に指定されました。
ここからスギの植林道を北に進みます。
長く厳しい木の段を上ると「笠の丸」で、北側には笠形山頂が見えます。
石がゴロゴロした急坂を登れば、一等三角点がある山頂です。
360度の見晴らしですが、南は霞んでおり明石海峡大橋や四国は見えません。
下りは、西に進み、グリーンエコー笠形(神河(かみかわ)町)をめざします。
途中の滝見台からは「扁妙(へんみょう)の滝」の全容を見ることができます。落差が65mあり、四方を急峻な岩に囲まれていて壮大です。名称は、江戸時代初期に不動明王を祀った僧「扁妙」に由来すると言われています。厳冬期の氷瀑が有名です。
最後に「響の湯」で汗を流した後、神河町コミュニティバスに乗ってJR播但線「新野(にいの)」駅に出ました。
駅近くには、田圃に水を入れる水車が保存されています。