龍王山(奈良県天理市)
令和5年3月31日(金)、久しぶりに龍王山(天理市、585.7m)に登りました。
JR柳本駅で下車して、33面の三角縁神獣鏡が出土したことで有名な黒塚古墳に寄ります。後円部からは、満開の桜の向こうに龍王山が見えます。
大和(おおやまと)神社の神宮寺だった長岳寺の山門前には、神仏習合の名残でしょうか、勧請綱が掛かっています。
長岳寺の北の道を東に進んで山頂に向かいます。
途中で寄った長岳寺奥の院では、不動明王の石像が立っておられます。
近くには、立派な横穴式石室を備えた、円墳と思しき古墳があります。標高460mと高い場所にある墳丘は、下から見えたのでしょうか。
山頂から西側を見ると、遠くには生駒・金剛山系の山並み、眼下には崇神天皇陵・景行天皇陵・黒塚古墳、さらに耳成山・香具山・畝傍山の大和三山や箸墓古墳も見えます。
龍王山には、中世、十市(といち)氏が山城「龍王山城」を築きました。
山頂に主郭を置いた南城は郭が連なる連郭式で、虎口(出入口)の石段が残っています。
一方、北城は、南城より60m低い位置にあるものの、郭は複雑に配置されており、主郭は東西100m・南北60mと広大です。さらに、水場「馬池」も残っています。こうしたことから、南城と北城は併存していたものの、北城の造営時期の方が新しいと考えられています。
北城には、敵の進入を防ぐために尾根を切断した大きな堀切や、横移動を防ぐ畝状竪堀も残っています。
下りは、龍王山古墳群を通り崇神天皇陵の横に出る道を利用しました。
穏かな天気の下、山城探訪を楽しむことができました。