靈山寺など(奈良市)

 令和3年4月22日(木)午前、奈良市南西部にある「登美山鼻高 霊山寺((とみやまびこう りょうせんじ)」へ行きました。以前から気になっていたお寺で、午後に奈良市中心部で用事ができたので、早い目に家を出て参拝することにしたのです。
 このお寺は奈良時代に聖武天皇の勅願により行基が創建し、菩提僊那(ぼだいせんな)が名付けたと伝えられる名刹ですが、明治の神仏分離の際に伽藍の規模が半減されるとともに200体以上の仏像が焼却されました。神仏分離令に対する過剰な反応でもったいないことです。

 

 ご本尊は、国宝「本堂」の重文「薬師三尊像」ですが秘仏であり、普段は重文「薬師三尊懸仏」がおられます。


 本堂周辺を掃除しておられた女性に“お疲れさまです”と声を掛けたところ、“本堂だけでなく奥之院にもお参りください”と言っていただきました。そこで、予定していなかったのですが、本堂から20分程歩いて奥之院に行きました。
 奥之院では、弘法大師が感得した大龍神を大辯財天を祀っています。訪れる人も少なく、凛とした雰囲気が漂っています。

 

 その後、重文「三重塔」「菩提僊那供養塔」を参拝しました。

 

 

 大辯天堂に向かう石段の下には、東大寺の方を向いて行基菩薩像が立っています。1970(昭和45)年に三体造られた赤膚焼きの内の一体です。他の二体は近鉄奈良駅、九品寺(葛城市)に置かれました。


 霊山寺は薔薇園でも有名です。1957(昭和32)年、世界平和を祈って本堂の北東に開かれ、200種2,000本の薔薇が植えられています。
 今年は全般的に花の開花が2週間ほど早いので、薔薇も咲いているかと期待していたのですが、まだ蕾でした。お寺の方に尋ねたところ、開花時期がゴールデンウイーク前後になるように調整されているとのことでした。

 

 午後は、用事を済ませた後、興福寺春日大社を参拝して、満開の藤の花を楽しみました。藤原氏ゆかりの社寺なのでは、古くから自生していたこともあり、藤が大切にされているのです。
 若宮神社は二十年に一度の造替が行われることとなっており、ご遷座の準備作業が進められていました。

 

 

2021年04月22日