桜井市観光協会「二上山に沈む夕陽を観るハイキング」(奈良県桜井市)

 令和3年10月3日(日)午後、桜井市観光協会主催の「万葉歌碑めぐりと二上山に沈む夕日を観るハイキング」に参加しました。
 実は看板に偽りありで(笑)、桜井市文化財課長の橋本輝彦氏の案内で纒向遺跡・箸墓古墳・ホケノ山古墳なども巡ることができました。


 最初に国史跡「纒向遺跡「辻地区」」に行きます。東から順に大・中・小の建物が東西方向に並んでいることが分かり、当時と同じ太さの柱が立てられています。
 現地で説明を聞くと、真ん中の建物の南北には棟持柱があったこと、東の大きな建物には床を支える細い束柱があったことなどがよく理解できます。

 ここを卑弥呼の宮殿跡とする説もあります。

 

 次は、古墳時代の始まりとされる前方後円墳「箸墓古墳」です。北側に大きな池がありますが、これは周濠ではなく後世に掘られた溜池です。池になる前には二つの古墳があり、削平されなかった一基が残っていますが未調査です。
 なお、箸墓古墳が卑弥呼の墓だとする説もありますが、橋本課長は否定的です。


 箸墓古墳を一回りして北にある前方後円墳「ホケノ山古墳」に向かいます。全長:後円部径・前方部径の比率が3:2:1の「纒向型前方後円墳」で箸墓古墳より古い築造です。


 次は、すぐ東の慶運寺です。本堂の脇を抜けると慶雲寺裏古墳があり、両袖式石室に入ることができます。

 

 また、本堂の西には、最高級とされる阿蘇のピンク石(馬門石(まかどいし))石棺仏が建っていますが、由来は不明です。

 

 暗くなり始めたので、井寺(いでら)池に向かいます。

 上池と下池の間にある堤の北には、集字による川端康成の歌碑「大和は国のまほろば・・・」(ヤマトタケル、『古事記』)が建っています。康成本人の希望で、目立たない場所に目立たないように建てられたそうです。

 

 晴れ渡った空が、いよいよ暗くなってきます。

 

 期待するなか、二上山の雄岳と雌岳の間に日が沈み、歓声が起きます。

 

 日が沈んだ後も、しばらく余韻を楽しんだ後、提灯の灯を頼りに歩きます。LEDでなく、ロウソクの火なのが嬉しいです。

 


 天候にも恵まれ、遺跡の勉強をするとともに夕日を楽しむことができました。

2021年10月03日|古墳:その他, 円墳, 前方後円墳|歴史:古墳時代|奈良県:その他|トレッキング:トレッキング