長谷寺(奈良県桜井市)、室生寺・室生龍穴神社(奈良県宇陀市)

 令和3年4月19日(月)、JR西日本「春の関西1デイパス」(3,600円)を使って、長谷寺と室生寺・室生龍穴神社に行きました。近鉄+と奈良交通の乗車券が選べるのです。


 桜井市の長谷寺は牡丹で、宇陀市の室生寺は石南花で有名です。例年はゴールデンウィークが見頃なのですが、今年は全ての花の開花が早いので、慌てて参拝することにしたのです。
 間違って早く起きてしまったのでJR姫路駅を午前5時45分に出る始発の新快速に乗ることができ、長谷寺に着いたのは拝観開始直後の午前8時40分でした。
 長谷寺は、奈良時代に徳道上人が創建したと伝えられています。徳道上人は鎌倉の長谷寺を開山したとも伝えられており、私が住む姫路市に隣接する揖保郡太子町の出身です。

 

 長谷寺手前の法起院には供養塔があります。


 長谷寺の仁王門を入って国宝「本堂」に向かうには、長い登廊の石段を登ります。その右側を中心に牡丹が植えらているのです。数人の人が作業をされていたので尋ねたところ“昨日の雨水が貯まって花弁が下を向いているので、添え木をして上を向かせている”とのことでした。一本ずつの作業なので大変ですね、と言ったところ、“楽しみです”との答えが返ってきました。丹念に手入れいただくことにより満開の牡丹を見られることへの感謝を忘れてはなりません。
 牡丹だけでなく石南花も満開でしたが、そこまではなかなか手が回らない、とのことでした。

 

  

 次に、近鉄電車と奈良交通バスを乗り継いで、宇陀市の室生寺に向かいます。真言宗室生寺派総本山で、近年まで女人結界を定めていた高野山に対して、女性にも参拝を認めていたことから、「女人高野」と呼ばれています。

 

 室生寺の石南花も満開でした。平日だからなのか人が少なく、撮影スポットの五重塔前の石段と、仁王門を入ってすぐの所にある鎧坂の石段で、人が写り込まない写真が撮影できました。

 

 

 室生寺は、隆光僧正の口添えで、五代将軍・綱吉の母・桂昌院の命により興福寺から分離独立しました。そこで、境内には桂昌院を供養する五輪塔と 隆光僧正の石碑があります。
 桂昌院塔は案内板に記載されているのですが、隆光の石碑は記載がありません。受付の人に尋ねたところ、お二人とも隆光僧正と言う僧をご存じありませんでした。いくら生類憐れみの令で理不尽な批判を受けた隆光であっても、この扱いは寂しい限りです。探した結果、石碑は五重塔の横にある石段を上がって右に回る手前にありました。

【桂昌院を供養する五輪塔】

 

【隆光僧正の石碑】

 

 室生寺の拝観を終えた後、次のバスまで時間があったので、東に1kmほど室生川を遡ったところにある室生龍穴神社に参拝しました。

 


 この神社の奥に吉祥龍穴があるのですが、神社の奥は神域なので行けないものと思い込んでいました。しかし、室生口大野駅前にある観光案内所の方に尋ねたところ、林道を歩けば行けることが分かったので、龍穴にも向かいました。林道が通行止めになる手前で左に降りれば良いのです。古代から龍神が住む神聖な「磐境」とされて来ただけあり、厳かな気分になります。林道では、練馬ナンバーと品川ナンバーの自動車がすれ違っていました。帰りに観光案内所の人に尋ねたところ、“パワースポットとして有名で、室生寺には参拝せず龍穴にだけ寄る人もいる”とのことでした。
 この龍穴については、興福寺・猿沢池とつながっており猿沢池のケガレを嫌った龍が移ってきたとの伝説もあります。

 

 天候にも恵まれ、最高の状態で長谷寺の牡丹・室生寺の石南花を堪能できました。

2021年04月19日