文全協「百舌鳥古墳群を歩く」

 令和3年6月19日(土)、文化財保存全国協議会(文全協)主催の遺跡見学会「百舌鳥古墳群を歩く」に参加しました。講師は、文全協常任理事で『百舌鳥古墳群を歩く』などの著作がある久世仁士(くぜ・ひとし)氏です。また、代表委員で滋賀県立大学名誉教授の小笠原好彦先生も特別参加しておられました。

 

 

 「百舌鳥(もず)・古市(ふるいち)古墳群」は大阪府堺市・藤井寺市・羽曳野市にまたがる五世紀の巨大古墳群で、残されている90基の古墳のうち49基が2019(令和元)年に世界文化遺産に登録されました。
 佐紀盾列古墳群(奈良市)の後、河内・和泉地域では、百舌鳥古墳群と古市古墳群で交互に大王墓が築かれました。百舌鳥古墳群では大山古墳(仁徳天皇陵)に行った程度ないので、今回の見学会に参加しました。


 「御廟表塚(ごびょうおもてづか)古墳」は帆立貝型の前方後円墳ですが、西側の前方部は削平されており、墳丘長は84.8mと推定されています。戦国時代の武将・筒井順慶の子孫の所有で、堺市が無償で借り上げて公開しています。

 

 「定の山(じょうのやま)古墳」は墳丘長69mの前方後円墳で公園となっており、墳頂からは、自動車の看板越しにニサンザイ古墳が望めます。

 


 「ニサンザイ古墳」は墳丘長290mと全国第八位の前方後円墳で、大王権力が最高位に達した時に作られました。西向きの前方部北から眺める南東の姿は美しいです。


 「百舌鳥八幡宮」の東・光明院の境内に「鎮守山塚古墳」があります。墳丘の西半分は道路建設のために削平されていますが、直径34m・二段築成の円墳と推定されています。


 「御廟山古墳」は墳丘長203mと百舌鳥古墳群で第四位の前方後円墳で、墳丘部分は陵墓参考地に指定されています。ニサンザイ古墳ほど美しくはありません。


 「いたすけ古墳」は墳丘長146mと百舌鳥古墳群で第八位の前方後円墳で、文化財保護のシンボルとして有名です。1955(昭和30)年9月、土砂運搬用の架橋工事が行われ、11月には住宅用地として造成される予定になっていました。それを見た若い考古学研究者が保存運動に立ち上がり全市民的な運動を展開した結果、1956(昭和31)年3月に文化財保護委員会が史跡指定を決定し、堺市が史跡公園化の計画を出しました。南側くびれ部周辺には橋の残骸が残り、文化財保存運動の「原爆ドーム」だと言われています。

 

堺市により多くの樹木が伐採されており、墳丘の形がハッキリとわかります。ありがたいことです。

 

 午後2時前に、JR百舌鳥駅前の「長塚古墳」で解散しました。
 雨天のためか、参加者が十数人と少なく、スタッフとして堺市で発掘に携わった方もおられたので、詳しくお話を伺うことができました。
 久世先生・小笠原先生を始め、お世話いただいた文全協の皆さま、ありがとうございました。

2021年06月19日|古墳:その他, 円墳, 前方後円墳|歴史:古墳時代