奈良シニア大学・霊山寺・璉珹寺(奈良市)
令和3年5月13日(木)午後、奈良シニア大学「奈良歴史部」の「人物でつなぐ奈良のすべて」シリーズで「阪本仙次(せんじ)」の話をしました。吉野町龍門に生まれ、近鉄吉野線の前身である「吉野(軽便)鉄道」の社長・南都銀行の前身である四銀行の一つ「吉野(材木)銀行」の頭取などを勤めた実業家ですが、ほとんどられていません。
実は私も、数年前に参加した吉野町スマイルバスツアーで初めて知りました。今、吉野町では阪本仙次顕彰会「チームサカセン」が結成されています。3月20日(土)に開催された第一回報告会を聴講しましたが、大いに勉強になりました。
阪本仙次に直接関係する話だけだと広がりがないので、別荘「白雲荘」を設計した奈良を代表する建築家・岩崎平太郎の業績「吉野神宮駅」、古代寺院「龍門寺跡」、江戸時代農民一揆「龍門騒動」などについて触れました。
この話をきっかけに、桜だけでない吉野の幅広く奥深い魅力を感じる人が出てくれば嬉しいです。
午前中は、近鉄富雄駅で途中下車して、霊山寺(りょうせんじ)「バラ園」へ行きました。1957(昭和32)年、世界平和を祈って本堂の北東に開かれ、200種2,000本の薔薇が植えられています。今年は全体的に花の開花が早いので4月中旬に行ったのですが、バラは開花時期が調整できるそうで、空振りでした。今日は、外から見ても分かるほど花が咲いています。少し盛りを過ぎていますがほぼ満開の状態で、平日の午前中なので人も少なく、ゆっくりと豪華なバラの花を観賞できました。
奈良シニア大学で話をした後は、璉珹寺(れんじょうじ)を参拝しました。本尊の阿弥陀如来立像が五月だけ特別公開されているのです。十年振りですが、印相が気になりました。左手は指の間に縵網相(まんもうそう)があるだけでなく、親指と人指し指がくっついており阿弥陀様の手です。一方、右手は親指と他の指がくっついておらずお釈迦様の手です。前住職の説明テープを聞くと、釈迦と阿弥陀の両方を備えた唯一の仏様だそうです。コロナ禍で昨年は拝観中止、今年は再開したのですが、特に関東地方からの参拝者が少ないそうです。確かに、私がいた30分間に他の参拝者はいませんでした。おかげで、ナント・なら応援団のフレンドリーな女性Wさんと親しく話すことができました。
普段は公開されていない境内も、花が咲いてきれいでした。